※アニメ壱沿い、松永久秀のところへ部下を取り返しにいくシーンから。
※ユリちゃんは伊達軍の忍をやっています。
※いろいろすっ飛ばしてます。だって戦闘シーンとか書くのめんど…ゲフゲフ

※作者はBASARA未プレイです。アニメと一部コミックしか知りません。
  いろいろ違うところがあってもそっと見逃してやってください…(土下座)















百合が小十郎に追いついたのはちょうど小十郎が三好三人衆の二人目を倒したところだった。
あたりに毒香が漂っていることに気づいた百合はすぐさま四方に配置された香炉を破壊する。
三人目を倒した小十郎が百合の姿を見つけて驚いたような顔をした。

「百合!? お前まで来ちまったのか」
「あなたを一人で行かせるわけにはいかないでしょう。これ、毒消しです。気休め程度ですが」
「あ、ああ。すまねえな」

小十郎に毒消しを渡す。
特殊な毒なようだし、たいぶ深く吸い込んでしまったみたいだがないよりはマシだろう。

「わたしは先に行って様子見をしてきます。小十郎様は無理をせず追ってきてくださいね」
「ああ。気をつけて行けよ」
「はい」

一つ頷いて、急な階段を駆け上がっていく。
さて、人質たちは生きているのだろうか。





忍び込んだ大仏殿跡。
正面からではなく、背後から忍び込んだ百合はそこで柱に縛り付けられた人質たちを発見した。
と同時によろしくないものも見つけてしまい、思いっきり眉間にしわを寄せる。
人質を助け出すことは簡単だ。
しかしそれだけで済む問題でもない。

(とりあえずこれだけでも片しておくか。火薬は嫌いなんだけどな…)

百合の視線の先には、火薬の詰まった壺がいくつも並べられていた。





松永久秀が爆死した後。
燃えさかる炎を見つめながら、佐助は百合の姿を探していた。
松永久秀が人質ごと建物を爆発させた際、百合も佐助も建物側にいたのである。
佐助はなんとか爆発から逃れることができたが、それ以来百合の姿が見えない。

――まさか…

佐助が嫌な予感に囚われたその時、炎の奥からみっつの影が躍り出た。

「あれは…」
「片倉の旦那!」

松永久秀の手の者かと小十郎が刀に手をかける。

「「「ま〜つ〜な〜が〜!」」」

「……は?」

聞こえてきたその声に、佐助は思わず間抜けな声を出した。
クナイを構えるのも忘れて見つめるうちに、その影はみるみる人の姿となり、爆発によって散ったものだと思っていた部下達であることがわかる。

「なんと」
「ウッソだろ…」

幸村と佐助が絶句する中、もうひとつの影が音も無く降り立った。
小十郎の斜め後ろに現れた百合は気配を消したまま、小十郎と部下三人とのやりとりを見つめている。

「おお、其方も無事であったか!」
「焦らせないでくれよ、姿が見えないから俺様てっきり」

幸村が百合を見つけてあげた声も小十郎たちには聞こえていないらしく、四人ともわいわいと生き延びたことを喜び合っている。
佐助がお疲れさんと肩を叩くと、百合はうんざりといった様子で振り返った。
こころなしか不機嫌そうである。

「なに、どしたの?」
「爆発の衝撃でのびたあの馬鹿どもを下ろすのが大変で。
 政宗様ならともかく、あの三人は途中本気で捨てようかと思った」
「俺様としてはそもそもあの爆発の中どうやって助け出せたのか気になってならないんだけど」

なにしろ佐助でさえ自分の身を守るので精一杯だったのだ。
佐助よりも爆発の中心地近くにいた百合がなぜ無事だったのか。しかもあの三人まで守りながら。
探るような目を向けてくる佐助をちらりと一瞥すると、百合はさあねと肩をすくめた。




もし伊達軍の忍だったら 参

おそらく流水の紋章を使ったんだと思います@幻水。水の紋章かもしれないけれど。
ユリちゃんの紋章術の腕前はトップクラスなので、これくらいできる、はず!たぶん!
あとはほら、BASARAだから!(逃)
2012.7.27