※アニメ壱沿い、筆頭が腹に弾くらって馬から落ちるあのシーンから。 ※ユリちゃんは伊達軍の忍をやっています。 ※まさかの幻水ネタがでてきます。幻水を知らなくても全然問題なく読めます。 ※作者はBASARA未プレイです。アニメと一部コミックしか知りません。 いろいろ違うところがあってもそっと見逃してやってください…(土下座) 織田包囲網――伊達を筆頭に武田・上杉軍が合流し、諸国とも手を組んで織田軍を包囲しようという作戦。 長篠において織田軍の鉄砲隊による攻撃を受けた武田・上杉軍は撤退を余儀なくされ、伊達軍もまた奥州へ戻るべく夜道を駆けていた。 (とりあえず敵の姿はなし、と…。このまま何事も無く奥州まで戻れればいいけど) 先頭を走る政宗の姿を視界の端に捉えながら、百合は木の上を走っていた。 百合は伊達軍所属の忍なので、当然馬には乗るはずもない。 …いや、このいろいろと破天荒な主は騎乗しても構わないとのたまったこともある。 しかしさすがに今回のような戦の場ではそうもいかず…というか仕事柄馬なんて邪魔でしかないので、こうして己の足のみで移動していた。 追っ手や待ち伏せの類がないか四方を警戒していると、たった今伊達軍が通り抜けたばかりの道後方から蹄の音が聞こえてきた。 夜目の利く百合の瞳は、馬の背に赤い人影を発見する。 それなりに距離がありながらもはっきりと聞こえてきた真田幸村の言葉を聞きとって思案することわずか一秒、小十郎と共に主の説得を試みようと百合は政宗の方へと意識を戻した。 次の瞬間。 「……っ!」 政宗の身体が、ぐらりと大きく傾いた。 「待たれよ、独眼竜伊達政宗殿! 奥州は遠うござる! 我らと共に甲斐へ参られよ!」 それなりに数のある集団でありながらかなりの速度をもって進む伊達軍に内心舌を巻きながら幸村は夜道を駆けていた。 声を張り上げて用件を伝えるものの伊達軍の足はいっこうに緩む気配はない。 こうなれば直接政宗の馬に並び説得するまで、とさらに速度を上げ先頭をいく政宗の姿を視界に捉えた幸村は、大きく目を見開いた。 「なっ…!?」 それまで背筋を伸ばして騎乗していたはずの政宗が突然落馬したのだ。 「政宗様!」 小十郎の焦ったような叫び声が響く。 前に進む馬とは反対側、後ろへと放り出されるように落下した政宗の身体はそのまま地面に叩きつけられるかと思いきや――、寸前で滑り込んできた黒い影によってすくい上げられるように地面に下ろされた。 ようやく一団に追いついた幸村は、そこで政宗の下敷きになるような形でその身体を支える小柄な姿を見つけた。 全身黒づくめの忍装束。 黒い布で口元が覆われているものの、わずかに覗く肌は真っ白く、全体的に華奢な体つきは、間違いなく。 「おな、ご…!?」 政宗の身体が馬から離れた瞬間、百合はとっさに跳躍しその身体の下へと我が身を滑り込ませていた。 自分よりも一回りは大きな身体を抱え込んでなんとか受け身をとる。 落馬時の速度もあって衝撃はかなりのものだったが、とりあえず主の身体を落下の衝撃から守ることはできたようだ。……背中がものすごく痛いのは、もう仕方が無い。 「政宗様!!」 小十郎がすぐさま傍らに跪き政宗の身体を抱え起こした。 政宗の身体の下から脱出した百合はその場に広がる鉄の臭いを察知する。 小十郎も己の手のひらについた赤にようやく気づいたらしい。 「政宗様、怪我を!?」 すぐさま傷口を探り当てる。傷口は小さく、どうやら織田軍の鉄砲をくらったようだった。 傷と出血の状態を確かめ――、思わず舌打ちした。 おそらく弾をくらったのは浅井長政が撃たれたとき。 その後明智光秀と刃を交え、かつここまで常と変わらぬ速度で馬を駆けてきたせいか出血が酷い。 (仕方ない、あれ使うか…) この世界で使えるかどうかはわからない。 しかも、そもそも世界が違うこの場所で使って良いものかも微妙なところである。 が、使えるのならそれに越したことはない。 「百合? 何を…」 「そのまま支えててください」 右手を傷口の上に当てた百合に、小十郎が怪訝な顔をした。 それを黙殺して、精神を集中させる。 「…優しさの流れ」 すぐ横にいた小十郎しか聞き取れないほどの音量で唱えた直後。 ぼんやりと青い光が政宗の身体を包み込んだ。 もし伊達軍の忍だったら 壱
はい、えっと、魔が差してBASARAです。 しかも、幻水のネタを……紋章を持ってきちゃいました。 いやー普通に考えたら腹撃たれてバトルして馬乗ったら死ぬじゃないですか。 まあそこはBASARAなんでアリなのかもしれないですけど、せっかくいろんな世界を回ってる夢主なんだから他の世界の能力が出てきたっていいじゃないとやらかした結果がコレです。 たぶん流水の紋章あたりを付けたまんまBASARAの世界に来ちゃったんじゃないでしょうか。 BASARAも幻水も未プレイかつ日本史が大の苦手=歴史知識まるでゼロにつき見苦しい点も多々あるとは思いますが、しばらくおつきあいいただけると幸いです。 ※優しさの流れ…幻想水滸伝に出てくる回復系の魔法。 2012.7.27
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