駆け引き取り引きお小遣い
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ゲーセンに来たは良いものの財布がすっからかんな小烏丸たち。 全体的にデコボコしていないように見えるのは小鮫の姿がないからだろう。 中学生達は額をよせあってうんうんと思案中。 「なぁどうするよ」 「いっそカツアゲ?」 「でも良さそうなカモいねぇしなぁ‥‥」 相談しながらきょろきょろと回りを見回すと、A.T.ではなく普通の靴で歩いている白うさぎを発見した。 「なぁあれって」 「咢の彼氏さん?」 「あ」 「あ?」 「金稼ぐ方法見っけ」 しししと笑いながら携帯を取り出して操作した後何かの画像を見せるカズマ。 それを覗きこんだ仲間達は、その手があったかと目を輝かせた。 「さん!」 「おぅどうしたカズマ少年とその仲間達」 「俺らがオマケかよ!?」 普段とは違って付属品扱いされたイッキはショックで沈んだ。 逆にメイン扱いのカズマはいやっほう!と飛び上がって喜ぶ。 ちぎれんばかりに振られたしっぽが見えるようで、は思わずわしわしとカズマの頭をなでた。 「左の気持ちもわかるような気がするなぁ」 「? 何スか?」 「いんや、何にも」 ボソリと言った一言は誰にも聞かれることなく風に消えた。 「で、どうしたよ少年達」 「さん、俺ら金ないんスよ」 「中学生は辛いなー」 「咢の秘蔵写真いりません?」 「俺に売ろうっての?」 普通の写真なら自分で持ってるからいらねぇんだけど。 断るどころか意外にのってきた先輩ライダーに後輩は食いついた。 「コレなんかどうスか?」 「うーんイマイチ」 「じゃあこっち!」 「似たようなの持ってるなぁ」 「これなんかは?」 「ん、おしいな」 白うさぎは手強かった。 むぅと唸る後輩たちにはからからとからかうような笑みを向ける。 「もう終わりかー?」 んじゃ俺もう行くわ。 そう言って踵を返すの服の裾をカズマがはしっと掴んだ。 「最後の一枚!」 勝負!と言わんばかりにずずいっと突き付けられた携帯。 真剣なブルーアイに見つめられたはにやりと唇の端を吊り上げた。 「‥‥‥‥」 「どうっスか!?」 これ超秘蔵写真なんスけど! 携帯の画面を凝視したまま黙ってしまったにカズマが詰め寄る。 やがては顔を上げるとカズマの肩をがしりと掴んだ。 「買った!」 「マジっスか!」 そして始まる取り引き。 後ろの方に下がって半ば唖然としながら傍観していた仲間たちは感嘆の声をあげた。 「カズすげぇ」 「いつもより生き生きしてね?」 どうやら取り引きが成立したらしいカズマがこちらを向いてグッと親指を立てた。 キラキラと輝く笑顔付きだ。 「んじゃ行こうぜ! さんありがとっした!」 「また良さそうなのあったら頼むなー」 満足げなに見送られて少年達はゲーセンへ。 も本来の目的を果たすべく歩き出す。 後日この取り引きを知った咢がを本気で道にしようとしたというのは、また別のお話。 ■Hunt the Hunt // 小烏丸 and と左さんって実は年かなり近いんだよねってのを書いてる途中で気付いた駄目作者。結構親しいらしい? たぶんカズはのストライクゾーンに少し引っ掛かってると思う。 写真がどんなものだったのかは御想像におまかせします。 07.06.30
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