たまにはこんな休日
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「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 4人もの人間が集まって皆無言。 不安いっぱいな顔で忙しなく視線を動かす矢印頭、大きな瞳に不安と期待をないまぜにして見つめてくる紺色、そして口よりも遥かに雄弁な瞳でただひたすらにじーっとじーっと見つめてくる黒兎。 沈黙が痛かった。 「‥‥行って来い」 紫煙の煙を吐き出しなげやりに言ってやれば喜びに輝く二対の瞳。 即座に飛び出して行った二人を見送った兎は、満足そうに微笑んだ。 重いため息を吐いて煙草を灰皿に放り込む。 餓鬼どもがいない間に書類でも片付けるかと立ち上がれば、腕をがっしりと掴まれた。 しばし無言の押収。 「テメェもさっさと行け」 「券は4枚あるんだけど」 「あぁそうか」 「いくでしょ?」 眉間に皺が増えた。 戯言なんか言ってねぇでさっさと行けと吐き捨てて腕を引っ張れば、小柄な身体のどこにそんな力があるんだというくくらいの力で止められて。 言葉よりも遥かに雄弁な瞳に再び見つめられ、罵詈雑言を吐こうとした口を閉じる。 無言の攻防戦。 カタンと小さな物音がしてふと視線をそらせばドアの隙間から目玉が四つ。 期待に満ちた子猫と獣、それから黒兎に見つめられ、海人はついに折れた。 「さっさと乗れ」 運転席に座ってキーを回す。 喜びを全身で表して子猫が飛び込んで来た。 兎は当然のように助手席に座り地図を取り出して一言。 「遊ぶ時間が短くなるから今日は飛ばしてもよし」 何様だお前。 煙草を咥えて睨んでやれば、滅多にみられないようなとびきりの笑顔で返された。 「遊園地なんて初めて!」 子猫のはしゃぎ声を合図にトレーラーは走り出す。 ■Hunt the Hunt // 鰐島兄弟 and 宇童アキラ and 加奈 遊園地のチケットを手に入れた加奈が海人から亜紀人(咢)とアキラの休日をもぎ取り、かつ海人まで強制連行させるってのが書きたかったのですが…。 かなりわかりにくい。(がくり) ちなみに遊園地で亜紀人はアキトに振り回され、海人は加奈が連れ回します。 帰りはトレーラーの中で亜紀人はぐっすりアキラはぐったり海人はうんざり加奈はにっこり。 加奈ちゃん最強です。 08.05.21
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